「航路を守れ(Stay the Course)」は、インデックス投資の父と呼ばれるジョン・C・ボーグル氏が、最後の著書に込めた言葉です。
ボーグル氏は生涯を通じて、「どんな相場でも航路を変えず、積み立てを続けることが成功への最短距離だ」と語り続けました。
本記事では、その精神をもう一度思い出しながら、相場に惑わされず資産を育てる考え方を整理していきます。
🧭導入:相場に惑う人、航路を守る人

株価が上がると「そろそろ売ったほうがいいかな」と不安になり、
暴落すると「やっぱりやめておけばよかった」と後悔する──。
そんな心理の波に揺さぶられて、航路を見失う投資家が後を絶ちません。
しかし、長期航海に必要なのは「操舵のうまさ」ではなく、「航路を守る覚悟」です。
インデックス投資とはまさに、嵐の海でも舵を切らずに進む投資法。
このシンプルな真理を、今日はもう一度見つめ直します。
⛵️第1章:高値更新中は「エンジン全開」モード

「株価が上がっている=もう遅い」と思うのは誤解です。
むしろ、高値更新中こそ積み立て続けている人のリターンが膨らんでいる証拠。
なぜなら、上昇相場では過去に買った安値分がすべて利益に変わるからです。
市場が右肩上がりを描いている限り、定期積立を止める理由はありません。
航路を守る人だけが、上昇の追い風を最大限に受け取ります。
🌊第2章:暴落中は「燃料補給」のチャンス

一方で、暴落相場では一時的に資産額が減るように見えます。
しかしそれは「値下がり」ではなく、「バーゲンセール」。
このときも積み立てを止めない人は、同じ金額でより多くの口数を買えるのです。
つまり、高値では利益が増え、暴落では将来の利益の種をまいている。
この“両刃の剣”が積立投資の最大の強みです。
⚓️第3章:銘柄を入れ替えると、航路を外れる

多くの人がやってしまうのが、「今はこのファンドが流行ってる」「こっちは成績がいい」と銘柄をコロコロ変えること。
しかし、そのたびに以下のような見えない損失が発生します。
- 売却益に対して約20%の税金
- 売買手数料やスプレッド(取引コスト)
- そして何より、市場にいない時間(空白リスク)
たとえば1週間でも市場から離れた間に大きく上昇すれば、それは二度と取り戻せません。
「より良い航路を探す」つもりが、実は海のど真ん中で停船しているようなものなのです。
🧭第4章:積み立てとは、「最も退屈で、最も強い戦略」

投資の世界では、「退屈こそ最強」という言葉があります。
毎月同じ日、同じ金額を積み立てる──それだけ。
判断も感情も不要です。
たとえ一時的に波が荒れても、
航路(=積立設定)を変えなければ、船はやがて目的地に着きます。
市場のノイズに耳をふさぎ、淡々と続ける人こそ、長期投資家の理想形。
🌅第5章:最後に──舵を切るな、風を信じろ

「今が買い時か」「売るべきか」
そう迷うたびに、思い出してください。
📈 高値更新中=積み立てれば増える
📉 暴落中=安く買えて将来増える
🔄 銘柄を頻繁に入れ替える=税金・経費・機会損失で減る
投資とは、短期の勝負ではなく航海です。
最も遠くへたどり着くのは、最も落ち着いた船。
あなたの積立口座という名の船も、どうか航路を守り続けてください。
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