最近の利上げで住宅ローンの早期完済など、長年コツコツ返済してきた住宅ローンを返済し、ついに完済された方も多いと思います。
ついに完済したあなた、本当にお疲れさまでした。
ここまでやり切ったなら、最後の仕上げである「抵当権抹消登記」も、自分の手でやってみませんか?
司法書士さんに丸投げするのももちろんOKですが、
・作業時間はトータル数時間ほど
・浮くお金は“自分の時給”に換算すると数万円以上の価値
があります。
この記事では、実際に自分でやってみた経験をもとに、
●抵当権抹消登記とは何か?
●必要書類は何か?
●申請書の具体的な書き方
●法務局での手続きの流れ
●かかった時間・感想
を、写真付きで分かりやすく解説していきます。
1. 抵当権抹消登記ってそもそも何?
まず、「抵当権抹消登記」という言葉がすでに難しいですよね。
- 家を買うときに、銀行から住宅ローンを借ります
- その代わりに、銀行は「この家を担保に取りますね」という権利(抵当権)を設定します。
- つまり、住宅ローンが残っている間は、家は抵当権が付いている(銀行のもの)なのです。
- ローンを完済すると、その抵当権は不要になるので「もう担保じゃないですよ」という記録を法務局で書き換える必要があります
この「抵当権を消してください」と法務局に申請するのが、抵当権抹消登記です。
ポイントは、
- ローンを完済しただけでは自動的には消えない
- 自分で申請するか、司法書士に依頼する必要がある
という2点です。
2. 司法書士に頼む?自分でやる?コスパ比較
抵当権抹消登記は、司法書士に依頼するのが一般的です。
ただ、その場合は
◯報酬:数万円前後
(特に、住宅ローン完済時に届く金融機関からの紹介だと割高になりがち)
プラスして登録免許税(不動産1件につき1,000円)や郵送費などの実費もかかります。
一方、自分でやる場合は、
◯かかるお金:登録免許税などの実費だけ
必要なのは「少し調べる根気」と「法務局に行くひと手間」です。
「自分はタダじゃない」という考え方ももちろん大事です。
ただ、この記事で紹介する流れ通りにやれば、実作業は数時間程度で終わります。
◯司法書士に支払う数万円
◯自分でやって得られる経験値・安心感
◯将来、家族や友人の手続きのサポートにも活かせる知識
これらを合わせて考えると、トータルで“10万円以上の価値”がある自己投資と言っても、大げさではありません。
3. 抵当権抹消登記に必要な書類一覧
住宅ローン完済後、まずは金融機関から次のような書類が送られてきます。(窓口で手渡しの場合もあり)
代表的なものは:
①抵当権設定契約書または登記原因証明情報
②登記識別情報通知(いわゆる権利証・登記識別情報)
③金融機関の代表者印が押された解除証書(または同等書類)
④委任状(金融機関によっては不要)
が送付されてきます。
実際の書類を紹介します。
まずは書類一覧
①抵当権設定契約書はこちら
(※上記は既に私が印鑑などを押印した状態です。書き方は後ほど説明します。)
②登記識別情報通知はこちら
③金融機関の代表者印が押された解除証書
④委任状
プラスして、自分で用意するものとしては:
◯本人確認書類(運転免許証など)※コピーで可のことが多い
◯住民票(登記名義人の住所が変わっている場合など)
◯登記申請書(自分で作成)
◯登録免許税分の収入印紙
◯法務局に提出するための封筒・切手(郵送する場合)
この記事では、実際に私が受け取った書類一式と、法務局の窓口で確認してもらった内容も写真付きで紹介していきます。
4. 実際の手続きの流れ(完済〜法務局申請まで)
大まかな流れは次の通りです。
住宅ローンを完済する
👇️
金融機関から「抵当権抹消用」の書類一式が届く
👇️
管轄の法務局(不動産の所在地を管轄する法務局)を確認
👇️
登記申請書を作成する
👇️
必要書類をそろえて法務局へ提出(窓口 or 郵送)
👇️
数日〜1週間ほどで登記が完了
👇️
登記完了後、法務局から完了通知を受け取る or 自分で登記簿を確認する
「難しそう」に見えますが、実際には
●9割は“書類をそろえる作業”
●残り1割が“申請書の記入”
というイメージです。
5. 抵当権抹消登記申請書のダウンロード方法
ここが一番のハードルに見えるところですが、やることはパターン化されています。
様式は、法務省のホームページからダウンロードできます。
👇️この書類を作ります。Googleドキュメントで少し頑張ればできます。
ダウンロードするファイルは、こちらのページにあります。
このページの目次欄に「抵当権抹消」があります。
ワード形式をダウンロードして、Googleドキュメントで開いて書き足してください。
おまけ:WordファイルをGoogleドキュメントで開く方法
Googleドキュメントの「ファイル」→「開く」
先ほどダウンロードしたワードファイルをドラッグします。
Wordファイルが開きます。入力していきましょう。

6. 抵当権抹消登記申請書の書き方
申請書に書く主な内容は:
◯登記の原因:例「令和7年11月1日解除」
◯権利者:あなたの住所と氏名
◯義務者:抵当権解除証書に書かれている内容を写します。
住所、金融機関名(会社法人等番号)
支配人、支配人氏名
◯登録免許税の額:土地と建物なら、1,000円×2件で2,000円
◯不動産の表示:登記識別情報通知にかかれている内容を写します。
不動産番号、所在、地番、地目(宅地か居宅)
土地なら地積(平方メートル)
家屋なら床面積(1階、2階別平方メートル、合計平方メートル)
法務局のホームページには、抵当権抹消登記の記載例が公開されているので、それをベースに記入すればOKです。
不動産の表示は、登記簿や金融機関の書類を見ながらそのまま写す
この1点を守れば、そこまで難しくありません。
作成する書類はたったの2つだけ
記載する書類は、
◯抵当権抹消登記申請書
◯不動産抵当権設定契約証書の住所・氏名・実印欄
のたった2つだけです。
👆️住所・氏名・実印(+捨印)だけなのでカンタンです。
これに加えて、本人ではなく家族に依頼するときは委任状も用意しましょう。
委任状もカンタンに書けます。
7. 法務局での提出〜完了までのタイムライン
私が実際にやってみたときの流れと、かかった時間の目安はこんな感じでした。
◯申請書フォーマットの確認・作成:1時間
◯必要書類のチェック:30分
◯法務局への移動+窓口での確認・提出:1時間
◯登記完了までの日数:10日
法務局の窓口では、提出前にサッと目を通してもらえることが多く、
記入漏れはないか
必要書類が足りているか
をチェックしてもらえます。
「初めてなので不安です」と伝えてしまって大丈夫です。
職員さんも慣れているので、落ち着いて確認してくれます。
8. 実際にやってみて分かった「注意点」と「コツ」
実際に自分でやってみて、「ここは事前に知っておくと楽」というポイントを挙げておきます。
●管轄法務局は“物件所在地”ベース
→ 自宅近くの法務局とは限らないので、事前に公式サイトでチェック
●住所変更・氏名変更がある場合は要注意
→ 先に所有権登記名義人の住所変更登記などが必要なケースも
●書類の原本・コピーの扱い
→ どれが原本で、どれをコピーにしてよいかをメモしておく
●平日しか開いていない
→ 有給や半休を取る価値は十分にあるレベルの節約になる
●私のケースでは、1週間後に登記完了証を取りに行く必要がありました
→きちんと証明するための書類ですが、使用用途はほぼありません。ただ、一応もらっておくと安心です。
感覚としては、“ケジメ”のような気持ちにもなれて、なかなか気持ちのいい作業でした。
9. まとめ:ここまでできたあなたなら絶対にできる
住宅ローンを完済している時点で、すでに大きなことを成し遂げています。
抵当権抹消登記は、その“ラスト1歩”の事務手続きにすぎません。
少しの時間と手間をかけるだけで、数万円〜10万円以上の価値がある経験が得られます。
「借金なんてすんじゃねえ!」の精神で、
・住宅ローン完済
・抵当権抹消登記も自分で完了
ここまでできれば、“お金に強い一般人”としてかなりの上級レベルだと思います。
ぜひ、あなたも「最後のひと仕事」として、抵当権抹消登記にチャレンジしてみてください。
やってみると、「なんだ、思ったより簡単だったな」と感じられるはずです。


ワード形式をダウンロードして、Googleドキュメントで開いて書き足してください。
おまけ:WordファイルをGoogleドキュメントで開く方法