【イナズマの輝く瞬間を逃すな】“その数日”を外すだけでリターンは半分に──ホールドが最強である理由

最近、株価が最高値を連日更新し続けています。
こういう時に「そろそろ一旦利確しようかな」と思う方がいると思います。

逆に、暴落時には、
「一旦売って、最安値で買い戻そう」と思うこともあるかもしれません。

しかし、これは利益を逃す原因となる、危険な行為です。

目次

はじめに

「最高値更新中なので一旦利確しておこう」
「暴落が来たら一旦売って、落ち切ったら買い戻す」

──この発想は、ほぼ確実にあなたの長期リターンを壊します

理由は簡単で、株式市場の成果の“ほとんど”は、ごく少数の“イナズマ級の上昇日”に集中しているから。
そこに居なければ、利益はみるみる削られます。

この記事では、実データで“ベスト数日を逃すコスト”を確認し、個人投資家が取るべき実践手順をまとめます。


この記事でわかること

  • “イナズマの瞬間”があなたの資産を決める
  • ベスト10日を逃すと年率は半減(20年間の実データから)
  • 売買で勝とうとするほど危険=最悪日とベスト日が隣り合う
  • やることはホールド+自動積立+年1回リバランス

イナズマの瞬間とは?|投資リターンの9割を決める“たった数日”

株式市場は、一年のうち数日だけ異常に大きく跳ねる日があります。

長期で見ると、このわずかな“ベスト日”に市場に居たかどうかが、最終資産を決めてしまうのです。

S&P500の実データで検証|20年間で“ベスト10日”を逃すとどうなる?

JPモルガンHPより

上記のグラフは、J.P.モルガンがまとめた長期統計(2005/7/1〜2025/6/30、配当込み)です。

S&P500にフル投資していた場合の年率リターンは約10.0%

ところが、上位10日の上昇日を逃した(=たまたま市場の外に資金を置いていた)だけで年率5.6%へ低下。ほぼ“半分”です

20日逃すと2.9%、30日逃すと0.7%まで落ち込みます。

さらに重要なのは、ベスト日とワースト日が近接して起きやすいこと。

直近20年では「ベスト10日のうち7日はワースト10日の2週間以内」に発生し、しかもその7日のうち6日は“ワースト日の直後”でした。

暴落でビビって退避すると、直後の“イナズマ反発”をまるごと取り逃がす構図です。

同趣旨の分析は他社でも「過去20年でベスト10日を逃すと年率はほぼ半減」し、“相場に居続けること”の重要性を強調繰り返し示されています。


「暴落で売って、戻りで買う」が超危険な理由

  • 最悪日の直後に最高日が来やすい:感情で逃げると“反発”の核心を外します。
  • 当てるべきは“2回”:売り時と買い戻し時。難易度は二乗で上がる。
  • 外したコストが極端に大きい:ベスト10日を逃す=年率ほぼ半減、20日を逃す=長期の実質リターンほぼ消滅。

結論:“タイミング”ではなく“タイム・イン(居続ける)”


実務:今日から“勝てる型”を作ろう

雷の瞬間を逃すのを防ぐためには、次の4つのルールを作っておきましょう。

1) ホールドする力をつける=ルール化する

  • 売らない条件を先に決める
    (例:生活防衛資金は別口座で確保/投資資金は10年以上触らない)。
  • 想定下落幅(−30〜−50%)を意識していると、動揺が激減。

2) 自動積立(ドルコスト)に任せる

  • 積立は毎月固定日で機械的に
  • ベスト日・ワースト日を“平均化して拾う”ことが目的
  • 過去の研究では、市場の外にいた短期間が長期成果を大きく削ると繰り返し示されています。

3) 年1回だけ“決め打ち”リバランス

  • 年一回・同月・同日で粛々と比率を戻す(例:株80/債20にする)
  • 「騒がしい時ほど、予定通り」が効きます。

4) 生活防衛資金=3〜6か月

  • 生活防衛資金は投資と完全に別口座
  • 暴落時に売らされない環境づくりが最重要。

よくある質問

Q. 暴落前に一度だけ逃げるのは?
A. ベスト日とワースト日は近接します。逃げ損ねれば反発を取り逃がし、統計的期待値はマイナスです。

Q. どの指数で積み立てる?
A. 分散の観点からは全世界株式(オルカン)、米国偏重でよければS&P500。どちらも“居続ける”前提が最重要。

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Q. まとまった資金は分割or一括?
A. 学術的には一括の期待値がやや上ですが、心理的に積立の方が継続しやすい人が多いです(途中離脱が一番の損)。


まとめ:雷は“その場”にいる人だけを照らす

S&P500やオルカン投資をしている人こそ、“イナズマの瞬間”を逃さないでください。
暴落で売らず、長期で市場に居続けること。
それが最も確実な資産形成の道です。

  • リターンの大半はわずかなベスト日に集中。
  • ベスト10日欠席=年率ほぼ半減、ベスト20日欠席なら長期成果は壊滅的
  • 最悪日の直後に最高日が来やすい。だから売らない。
  • 勝ち筋はホールド+自動積立+年1リバランス+現金クッションの徹底。

雷は“その場”にいた投資家だけを照らします。
だから、市場に居続けるのが大切です。

次のアクション

※本記事は一般的な情報提供です。投資は元本割れリスクがあります。各社の手数料・商品目録・目論見書等をご確認ください。

📈 シリーズで読む資産形成ロードマップ
1️⃣ 貯金だけだとお金は腐っていく(インフレ対策)
2️⃣ イナズマの瞬間を逃すな(ホールド最強論)【この記事】
3️⃣ [高値圏からの積立が最も儲かる理由(近日公開予定)]

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