「S&P500が史上最高値を更新!」
そんなニュースを見ると、
「ここまで上がったなら、もう高すぎるのでは?」🤔
「今から投資を始めたら、高値掴みにならない?」🤔
「もう少し下がってから買ったほうがいいのでは?」🤔
と不安になる方も多いのではないでしょうか。
私自身も以前はそう考えることがありました。
【株価が安いときに買って、高くなったら売る】
それが投資の基本のように感じますよね。
ところが、長期の株式投資では「最高値だから買わない」という判断が、必ずしも合理的とは限りません。
過去のS&P500のデータを調べると、非常に興味深い結果が見えてきます。
ただし、ここで先に重要なことを言っておきます。
この記事は、
「史上最高値で買えば儲かる」
という話ではありません。
むしろ逆です。
「最高値だから待つ」という判断も、「最高値だから買う」という判断も、最高値という一点だけでは決められない
ということを、複数のデータから考えてみたいと思います。
2026年8月、S&P500は史上最高値を更新
まず、この記事を書いている2026年8月現在の状況を見てみましょう。
2026年8月13日、S&P500は7,798.99で史上最高値を更新しました。
こんな相場を見ると、
「もう十分上がったのでは?」
と思いたくなるのも無理はありません。
しかし、ここで一度、
「過去の株式市場は、史上最高値を更新した後にどうなってきたのか?」
を見てみましょう。
「最高値=もう買わないほうがいい」は本当?
まず紹介したいのが、J.P. Morganの分析です。
1970年以降のS&P500について、
「過去最高値を更新した日に投資した場合、その後どうなったか」
を調べています。
結果は次の通りでした。
史上最高値を更新した日に投資すると、その後どうなった?

期間プラスだった割合
12カ月後 73%
つまり、
S&P500が史上最高値を更新した日に投資した場合、12カ月後にプラスだったケースは73%でした。
「最高値で買ったら、その後は下がるはず」
というイメージとは、少し違いませんか?
もちろん27%はマイナスだったので、最高値更新後に下落することは十分あります。
しかし少なくとも、
「最高値を更新した=その後は下落しやすい」
と単純に考えることはできないことが、分かってもらえたでしょうか。
出典:J.P. Morgan
「Stocks have historically never failed to regain a prior high」
日本語訳:「株式市場は、歴史的に見て、過去の最高値を取り戻してきた」
株価は「最高値→暴落→最高値」を繰り返してきた
先ほどのS&P500の長期チャートを見ると、もっと分かりやすくなります。
株式市場は、
最高値を更新する
↓
大きく下落する
↓
何年もかけて回復する
↓
再び最高値を更新する
という動きを何度も繰り返してきました。
ITバブル崩壊、リーマンショック、コロナショック・・・。
そのほかにも、さまざまな暴落や調整がありました。
そのたびに、
「もう株価は戻らないのでは?」
と思われるような局面がありました。
それでも長期的には、S&P500は過去の高値を取り戻し、さらに上の水準へ進んできました。
J.P. Morganの1970年以降の資料も、まさにこの特徴を示しています。
ここから分かるのは、
「史上最高値」という言葉には、少し注意が必要
ということです。
「過去最高の価格」と「これから上がらないほど割高」という言葉は、同じ意味ではありません。
では、「最高値で買う」のは本当に不利なのか?
ここで、さらに面白いデータがあります。
Vanguardは、1950年から2025年9月24日までのS&P500について、
「史上最高値を更新した日に投資した場合」と「それ以外の日に投資した場合」で、その後のリターンにどんな違いがあったか
を比較しています。
結果はこちらです。
S&P500の平均フォワードリターン

※3年・5年・10年・20年は、それぞれの期間の累積リターンです。「20年間ずっと年率243.1%」という意味ではありません。
【1年後の場合】
史上最高値の日に購入した場合のリターン:9.5%
その他の日に購入した場合のリターン:9.2%
と、大きな差はありません。
10年後、20年後では、逆に「その他の日」のほうが高くなります。
20年後では、史上最高値の日が243.1%、その他の日が348.8%でした。
つまり、「最高値で買うことが、歴史的に特別不利だったわけではない」ということです。
では、どうすればいい?
「最高値だから買う」「最高値だから待つ」のどちらが絶対に正しい、ということではありません。
大切なのは「最高値かどうか」より「自分の投資計画」
では、何を基準にすればいいのでしょうか。
私は、
「今が最高値かどうか」ではなく、「自分の投資計画に沿っているか」
を重視するのがいいと思っています。
例えば、
✅️長期で運用する
10年、20年、30年という長い期間を考えるのであれば、今日の株価が「史上最高値かどうか」は、長期投資の中では一部分にすぎません。
✅️分散する
S&P500や全世界株式など、広く分散されたインデックスに投資することで、個別企業のリスクを抑えることができます。
✅️積立を続ける
毎月一定額を積み立てていれば、「今は高い」「今は安い」を毎回判断する必要がありません。
✅️リスク許容度を守る
どれだけ長期投資をしていても、暴落は起こります。
「30%下落しても保有し続けられるのか?」
「50%下落したらどうするのか?」
を事前に考えておくことのほうが、「今日が最高値かどうか」を当てることより重要かもしれません。
「最高値だから積立を止める」は、本当に合理的?
例えば毎月5万円をS&P500に積み立てている人がいたとします。
S&P500が最高値を更新したから、
「今月は高いから積立をやめておこう」
とします。
翌月、さらに最高値を更新。
「まだ高いから、もう1カ月待とう」
さらに上がる。
こうなってしまうと、積立を再開するタイミングが分からなくなります。
反対に、下落した場合でも、
「まだ下がるかもしれない」
と思ってしまうことがあります。
つまり、
「止める判断」は簡単でも、「いつ再開するか」の判断は非常に難しい
のです。
だからこそ、長期積立では、
あらかじめ決めたルールを守る
という考え方に大きな意味があります。
「最高値だから買う」のでも「最高値だから待つ」のでもなく、自分の投資ルールに従う。
最高値を更新すること自体が、珍しい出来事ではありません。
S&P500は2025年第3四半期だけで23回の史上最高値を更新しました。
1950年以降の平均では、1四半期あたり約5回、史上最高値を更新しています。
長期的に成長してきた市場では、「最高値」が何度も更新されてきました。
今日の最高値は、数年後から見れば「安値」になっている可能性もあります。
「高値掴み」が怖い人へ
個人的には、ここが今回の記事で一番伝えたいところです。
「高値掴みが怖い」
という感情そのものは、決して悪いことではありません。
自分のお金を守ろうとしているからこそ、怖いのです。
ただし、
「損をしたくない」
↓
「だから下がるまで待つ」
↓
「下がったら、もっと下がるかもしれないので待つ」
↓
「結局、投資できない」
となってしまうと、本末転倒です。
投資には、
価格が下がるリスク
だけではなく、
「待っている間に上昇してしまうリスク」
もあります。
私自身は、
「もっと安くなってから買おう」と待ち続けるより、長期・分散・積立を淡々と続けること
を大切にしたいと思っています。
もちろん、これは「いつ買っても必ず儲かる」という話ではありません。
株式市場は大きく下落することがあります。
過去のデータが、未来を保証してくれるわけでもありません。
だからこそ、
「自分は何のために投資をしているのか」
「何年運用するつもりなのか」
「どのくらいの下落なら耐えられるのか」
を先に決めておく。
そして、そのルールに沿って淡々と続ける。
私はそれが、相場の未来を当てようとするよりも、ずっと現実的な投資方法だと思っています😊
今まさに、
「S&P500が最高値だけど、今から投資しても大丈夫?」
と悩んでいる方がいたら、一度過去のデータを見て考えてみるのも面白いと思います。
「最高値だから買う」のでも「最高値だから待つ」のでもなく、大切なのは、自分で決めた投資ルールを守り続けること。
「相場を当てること」が目的ではないのです。
これからも、無理のない範囲で、長期・分散・積立を続けながら、自由に向かって投資していきましょう🍀
参考資料
J.P. Morgan
「Stocks have historically never failed to regain a prior high」
1970年以降のS&P500について、史上最高値更新後の3カ月・6カ月・12カ月リターンなどを分析。12カ月後にプラスだった割合は73%。
Vanguard
「U.S. equities set all-time highs 1 out of every 3 days this quarter」
1950年以降のS&P500について、史上最高値の日とその他の日の1年・3年・5年・10年・20年のフォワードリターンを比較。
※本記事は過去の市場データや研究を紹介するものであり、特定の金融商品への投資を推奨するものではありません。過去の実績は将来の運用成果を保証するものではありません。投資には元本割れのリスクがあります。

